ゲーム回想記4 ~DQ2論争 ムーンブルク王女は誰と結婚するべきか?~

2023年1月11日

ムーンブルク王女は誰と結婚するべきか?

ドラゴンクエストⅡをプレイした者なら、一度は考えたことがあるだろう。

ムーンブルク王女は誰と結婚するのか?

いや、誰と結婚するべきか?

余計なお世話である。
だかそれは、決して触れてはいけない禁断の入口でもある……

語られない三人の関係

ドラクエⅡの主人公は、ローレシア王子、サマルトリアの王子、そしてムーンブルク王女である。
お年頃の男子二人と女子一人……共に冒険し、世界に平和を取り戻す。

そんな三人の間に何もないわけがない!

しかし、ゲーム内でそれらが語られることはない。
プレイしている途中、ふとしたことから、そんなことが頭の中を横切るようになり、エンデイングを迎える頃には、そのことだけが気になっているのである。

魔王を倒し、世界が平和になったからこそ、次は国造りであり、それは二人の王子にとって、国の未来を賭けたムーンブルク王女争奪戦なのである!

大多数のローレシア王子派だが……

ムーンブルク王女がローレシア王子と結婚するというのが、もっとも多い説であり、実際にプレイしていた当時もそうであった。

だが、当時小学生の私は戦略ゲーム(シミュレーションゲーム)に覚醒したばかりの頃で、ローレシアに疑問を抱いていた。

ハーゴンの魔物軍団急襲でムーンブルク城陥落の報告を受けた時、ローレシア王は最初に何をしたか?

ムーンブルクに救援の軍隊を派遣するわけでもなく、サマルトリアへ対策の協議をするための使者を派遣するわけでもなく、

王子に大神官ハーゴンを倒す旅へ出るように命じたのである!

『大神官ハーゴンを倒せば解決する』という脳筋的発想で本当に大丈夫なのか?

いくら若いとはいえ、王である父の命令とはいえ、それに疑問すらもたず、旅立つ王子にも、未来を感じなかった……

サマルトリア王子派

私がサマルトリア王子派になったのには、もう一つの理由がある。

三国の位置関係である。

サマルトリアはローレシアとムーンブルクに挟まれる場所に位置しており、ローレシア王子とムーンブルク王女が結婚することになれば、サマルトリアの立場は厳しいものになる。

ムーンブルクは再建の必要があり、ローレシア王子とムーンブルク王女の間にできた子供の一人を継がせるとしても、ローレシアの属領になることは火を見るより明らかである。

だが、サマルトリアには王子の妹、姫君がいる。

ローレシア王子にサマルトリアの姫を嫁がせ、サマルトリア王子がムーンブルク王女と結婚すれば、三国のバランスを保てる。

なにより王族の出身の者が好きな人と結婚ができるような甘い世界ではない。

サマルトリア王の優秀さ

ローレアシア王に比べ、サマルトリア王の優秀さも光っていた。

ムーンブルクからハーゴンの魔物軍団急襲の報せを受けた時、サマルトリア王はまずムーンプルとサマルトリアを繋ぐローラの門を閉め、ムーンブルクを遮断した。

ムーンブルクから逃れてきた人たちを見殺にしてしまうことになるが、魔物のサマルトリア領内への流入を抑制することができた。

つまり、王として自国民を守るを決断ができたのである。

しかも地続きである隣国のローレシアを守ることにも繋がっている。サマルトリア王子をローレシアに向かわせて連携を模索しようとしているあたりも、悪くない決断である。

深読みすれば、ローレシア王子とサマルトリア王子が、弱い魔物でレベル上げができたのも、サマルトリア王の決断のおかげであると考えられるのである。

ハーゴンの魔物軍団が襲ってきたので、対策するように忠告を受けて、自分の王子にハーゴン討伐を命令することを対策とした、どこかの脳筋王はまったく違う。

サマルトリア派に刺さった言葉

当時、少数派ではあったがサマルトリア派に対しても、一定の理解は示されていた。
だが、ローレシア派より投げかけられ、心に強く刺さった言葉がある。

『サマルトリア王子って、本当にロトの子孫なのか?
弱いし、ロトの剣は装備できないし、伝説の最強装備もないぞ?』

確かに、サマルトリア王子の最強の装備は、基本的に町で買えるものである。(FC版)
材料を集めて手に入れる装備や宝箱からしか得られない装備も存在するが、ムーンブルク王女との共用であり、ネーミング的にもムーンブルク王女用なのである。

そしてなにより、ドラクエⅡの世界はドラクエⅠの100年後の世界である。

映画などで野望を抱いた側近が王を殺して、代わりに自分が王になるというような物語は、当時の私でもよく知っていた。

様々な理由によってロトの血が途絶えていたとしても不思議ではない……

あなたはだれ派?

紹介した説は私個人の説であり、小学生(高学年)の頃を思い出して書いてるだけである。

ムーンブルク王女はローレシア王子やサマルトリア王子とは結婚せずに、女王としてムーンブルクを再建するという考えを主張していた者もいた。

ドラクエⅡをプレイした当時の年代によっても考え方は変わってくるだろう。

しかし、ゲームに登場する主人公たちの恋愛や行く末の想像をかきたててくれたのは、ドラゴンクエストⅡが初めてであった。

少なくとも私はそうである。

あなたはどうだった?

ドラゴクエストⅡならだれ派?

そして、どんな未来を想像した……?

おわり

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