レトロゲーム小話7『私には刺さったビアンカ派の最強説…DQ5』
ビアンカかフローラか……
SFC版ドラゴンクエスト5では、永遠のテーマといっても過言ではない。
私はビアンカ派である。
しかし、幼馴染みという理由以外に、ビアンカと結婚するという理由が思いつかなかった。
とあるゲームのコンベンションに参加した時である。
ドラクエ5の花嫁を、誰にするかという話が聞こえてきた。
残念ながらその輪に私はいなかったが、ドラクエ5が好きな私は、耳を立てていた。
そして、今まで聞いたことがない理由を耳にしたのである。
「俺は断然ビアンカ派! でも結婚するのはフローラ!
自分の復讐という身勝手な理由のために、本命のビアンカは巻き込めない……」
「だから俺は、ビアンカを想いながらフローラを抱く!」
そう言った本人の周りでは笑い声が起こり「やだー」なんて言っている女の子もいた。
だが、私には刺さった。
そんな理由を思いもつかなかった
確かに私がフローラを選ばない理由は、フローラの父親が胡散臭いと思っていたからだ。
出会いのきっかけとなる犬だって、予め手に入れた、主人公の匂いがついたものを嗅がせておけば、あの反応にまではもっていけるだろう。
主人公が王子であり、娘が結婚すれば、地方の田舎を治める国とはいえ、王族の仲間入りである。
どれほどの豪商であろうと、滅多にない機会であり、入念な準備をする価値はある……
そういう理由とは違い、ビアンカを想って、フローラを選ぶという発想はなかった。
結局、二人は結婚してからも、苦労の連続であり、最後は地方の田舎を治める王でありながら、世界を賭けた戦いへ挑むことになる。
それは一般的な王と王妃が歩む道ではない。
幼少期に父親を殺され、自分も奴隷として過ごすことになった主人公が、その組織に対して復讐するつもりでいることは理解できる。
では、幼馴染みであるビアンカを伴侶に迎え、己の復讐に巻き込めるのかといえば……
考え方は大人…というより貴族に近いが、今のところ私の中では、最強のビアンカ派説である。
おわり
※この話はXでウイッカが執筆したものを掲載しています
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